アキナス
aciknifeces
ヨーロッパ両刃、広身、まっすぐな剣身をもつ短剣。ペルシアのメディア人が生み出したといわれる。ペルシアなどで使われていたものが東地中海に植民していたギリシア人により広まった。
B10〜A1世紀
30〜45cm
0.2〜0.4kg
アサイミー
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ヨーロッパ西洋、魔女術で用いられる短剣。柄が黒く塗られており(または柄が黒檀で出来ていた)、魔術(もしくはそう思われていた)に用いられる薬草を刻んだり、コードスペル(魔女結びの呪文:代表的な魔女術)の最後、ひもを切る際に用いられた。
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アジャ・カティ
ayda katti
インド南西インドのとある地方固有の片刃刀剣。湾曲した幅広な刀身と、大きな柄頭と、鎌の様な形状を持つ。切っ先に重みが行くように設計されておりその重みで打ち切る。
17〜19世紀
60〜70cm
1.5〜1.8kg
アダ
ada
西アフリカ当時栄えたベニン王国の族長が用いた儀式用刀剣。外見の統一性は一切無く、非常に派手な装飾がされている。
14〜17世紀
80〜100cm
1.5〜2.0kg
アネラス
anelace
西ヨーロッパイタリア製ブロードソード。幅が広い両刃の刀剣でシィンクエディアを実戦向きに改良した物。シィンクエディアと比べるとかなり粗く造られており、護拳も備えている。
15〜16世紀
70〜95cm
1.8〜2.0kg
アンテニーダガー
antenknifee dagger
ヨーロッパ西ヨーロッパで用いられた、当時の最も一般的な短剣。柄頭が一部かけた輪状になっており、触覚(antennae)のように見えることからこの名前がついた。握りは細く、軽量化されている。片刃のものと両刃のものが存在し、日常生活で使われていたと考えられている。この短剣の発展形としてリングダガーがある。
13〜14世紀
30cm
0.25kg
アントラーソード
antler sword
ヨーロッパ古代ヨーロッパのケルト人が作り出した両刃の刀剣。柄頭から左右に鹿の角(antler)のように突起物があり、このことから現在ではこの名称で呼ばれている。
B9〜B5世紀
70〜90cm
0.9〜1.1kg
イクール
ikul
北アフリカバクフ族の短剣。幅広で刃の中央部が木の葉のようにくびれている剣身をもち、儀式などに用いられた。木製のものもありそちらはイクリムバーング(ikulimbaang)と呼ばれる。
17〜19世紀
30〜40cm
0.3〜0.4kg
イヤーソード
ear sword
西ヨーロッパ柄頭と鍔に円形のプレートを取り付けられた両刃の刀剣。プレートは斜めに固定されており、まるで『耳(ear)』のように見えることからこの名前がついた。このプレートは護拳、刺突の際の手助けなどの効果があった。
15〜16世紀
80〜90cm
1.2〜1.5kg
イヤードダガー
eared dagger
ヨーロッパ両刃だが剣身が左右対称ではない、柄頭が二つに分かれている等の特徴を持つ短剣。この二つの突起は間に親指を掛けて使い、逆手で振り下ろす際、威力を増すように考えられたもの。元々は東方のものだったがイタリア商人の手によりヨーロッパにもたらされる。
14世紀
20〜30cm
0.25〜0.4kg
イルウーン
ilwoon
中央アフリカ皿上の柄頭と、三味線のバチのように大きく広がった剣身をもつ両刃の刀剣。その特徴的な切っ先は鹿に似た偶蹄類レイヨウをモチーフにしたもの。剣全体に幾何学模様が施されており、金属製(戦争用)、木製(儀式用)がある
16〜20世紀
60〜80cm
0.9〜1.2kg
ヴィーキングソード
viking sword
西ヨーロッパ暗黒時代の西欧で用いられた刀剣。北欧を中心にヨーロッパに広まった切断を目的とした両刃の刀剣。ロングソードの原型となったもので、日本ではヴァイキング(バイキング)ソードという呼び方が一般的。身幅は広く厚く、血溝も作られており、そのどちらも剣の強化の目的で考えられたもの。有名なノルマン・コンクェストによって広まった剣を、その著者がこの名前で呼んだことから名付けられた。
5〜12世紀
60〜80cm
1.2〜1.5kg
ウェドゥング
wedong
東南アジアジャワの儀式用短剣。包丁のような形状をしており、その刃は中間部で膨らんでいる。この短剣は王族、その中でも王子にしか所有が許されない。木製の鞘を持ち、これを取り付けるベルトは優雅に装飾されていた。
14〜19世紀
20〜30cm
0.25〜0.3kg
ウォーキングソード
walking sword
ヨーロッパ一般市民用の刀剣。当時武装して出歩くのはごく普通の光景であった為、軽量で剣身が細く、邪魔にならない程度の長さになっている。また、鍔等に敵の刃を受け止め、折りやすくするなどの工夫がされているものもある。
16〜18世紀
60〜70cm
0.5〜0.7kg
打刀
(ウチガナタ)
日本一般的に言う刀。京反りといわれる反りがついており抜刀しやすい。この打刀ができたことで、日本では剣術が発達した。
室町〜江戸
70〜90cm
0.7〜0.9kg
エグゼキュージョナーズソード
executioner's sword
西ヨーロッパ直訳すると『死刑執行人の剣』。その名の通り、執行人が斬首刑用にもちいた物。完全に目的が固定されており、突く必要が無いため、切っ先は丸く力を込めやすいように両手剣でありながら握りの長さは短くなっている。斬首刑自体が高貴な貴族の刑罰だったため装飾、彫刻されているものが多い。
17〜18世紀
100〜120cm
0.8〜1.3kg
エストック
estoc
ヨーロッパ刺突専用の細身の刀剣。当初は騎馬同士が攻撃するときに使用したもので、火気の発達により武装の軽量化が進んだことで兵士たちにも用いられるようになった。ポーランド、ロシアではノッカーと呼ばれる。
13〜1世紀
80〜130cm
0.7〜1.1kg
エペ
epee
西ヨーロッパ主に突くことを目的とした刀剣。カップガードといわれる半球状のガードと長い柄が特徴。騎士たちが名誉を守るための一対一の対決で使われた。『エペ』とはフランス語で剣の意味。フルーレと同時期に用いられ、こちらは実戦用だった。
17世紀〜
100〜110cm
0.5〜0.8kg
円頭大刀
(エントウタチ)
日本直身で斬ることを目的とした片刃の刀剣。柄頭の先端が丸められているためこの名称で呼ばれる。後期にはこの剣は儀式用となる。
古墳〜奈良
70〜110cm
0.6〜0.9kg
オル・アラム
ol alem
アフリカ南部マサイ(イルマサーイ)族が所持する刀剣。細く、長い両刃の剣で剣身中央部にある山形の峰が強度を増す役割を持っている。また切っ先に向かうにつれて太くなっており、振り下ろしたときの威力を増すための工夫も施されている。
17〜20世紀
70〜80cm
0.8〜0.9kg
飾剣
(カザダチ)
日本公家用の儀礼装飾用の刀剣。名前の通り豪華に飾り立てられ所持者の位により豪華さが分かれていた。(大臣なら金、それ以下は銀等)
平安
75〜80cm
0.7〜0.8kg
カスカラ
kaskara
アフリカ北部サハラ砂漠に面する国々で使われた直身、両刃の刀剣。鞘はクロコダイル、トカゲ等の皮で作られ、帯で肩から下げるようにして持ち歩かれた。この刀剣が使われた国は交易の重要な拠点にあり、カスカラはこれらのルートに乗って広く伝わった。よく似た刀剣にタコーバがある。
16〜19世紀
50〜100cm
0.6〜1.5kg
カスターネ
kastane
南アジアスリランカ固有の刀剣で、片刃。湾曲したもの、直身したものなど様々だが、斬ることを目的としているところは共通している。柄、鞘の切っ先側に怪物の飾があることが特徴。護拳は鋼鉄製で実用的な刀剣に分類される。
15〜18世紀
40〜100cm
0.5〜1.2kg
カタール
katar
インド古くから存在するインドの刀剣。長めの刀剣形と短剣形があり、片刃、両刃のものがある。一般的にカタールとして知られているのは実はジャマダハルといわれる全く別のものである。
B4〜A18世紀
35〜40cm
0.35〜0.4kg
カダラ
quaddara
中近東ペルシアの両刃の刀剣で、コーカサス地方の短剣キンドジャールを大きくしたもの。直身で幅広の剣身と、鋭い切っ先を持っている。柄頭に宝石がはめ込まれたものや、剣身に装飾が施されており、この武器は貴族等、限られたものに使われていたと考えられている。
16〜18世紀
80〜100cm
0.9〜1.1kg
カッツバルゲル
katzbalger
西ヨーロッパドイツの俗語で『喧嘩用』という意味の、重さで反動をつけて断ち切る典型的な切る専門の刀剣。イタリア戦争におけるドイツの傭兵『ランツクネヒト』が好んで使った刀剣で、シンプルな柄と、切っ先から鍔を見るとS字型をしていることが特徴。ブロードソードの一種。
15〜17世紀
60〜70cm
1.4〜1.5cm
カットラス
cutlass
西ヨーロッパ船乗りたちに用いられた、断ち切ることを目的とした刀剣。船上の戦闘でも使いやすいように剣身を短く、広く作り、激しく打ち合うことも出来た。突くことも出来るように疑似刃をつけたものもある。カットラスとは『ナイフ』を意味する言葉が変化したもの。
15〜19世紀
50〜60cm
1.2〜1.4kg
カープスタンソード
carp's tongue sword
ヨーロッパ『鯉の舌』という意味の名を持った刀剣。この名前は発見した考古学者がつけたもの。その名前の通り舌を感じさせる形状をしている。切っ先近くの部分だけ細くくびれ、握りに向かって、一定の太さになっている。
B9〜B5世紀
60〜90cm
0.7〜1.0cm
頭椎大刀
(カブツチタチ)
日本古墳時代から見られた刀剣の中で最もふるいであろう刀剣。直身、斬ることを目的とした片刃の刀剣。柄頭に塊がついている。
古墳〜平安
70〜130cm
0.6〜1.1kg
カラベラ
karabela
中近東『鷲の頭(Eagle's head)』と呼ばれる独特の形状をした柄を持った刀剣。この柄頭は、たとえるなら植物のワラビのような形をしている。19世紀にはポーランドの代表的な刀剣となり、以後軍刀として使われ続けた。ナポレオンの時代に騎兵達が用いた刀剣もこのカラベラだった。
17〜20世紀
90〜100cm
0.8〜1.0kg
カルド
kard
中近東肉切り包丁に似た外見を持つペルシアの短剣。片刃、鋭い切っ先を有し、刺突の際切っ先が欠けることの無いよう槍上になっているものも存在する。ハイバル峠周辺で使われたサラワーを原型とするもので、16世紀にムガール帝国に伝わり後に帝国でもっともポピュラーな短剣となった。
15〜20世紀
25〜35cm
0.3〜0.4kg
カンダ
khanda
インドマラータ族が用いた刀剣。切っ先は鋭くなく、斬撃用。盾と一緒に使われたため、護拳は簡単な弓状鍔だったが、後々には籠状の鍔が突いたものも出てきた。
17〜19世紀
110〜150cm
1.6〜2.0kg
環頭大刀
(カントウタチ)
日本直身で片刃の斬ることを専門とした刀剣。柄頭が輪の形をしている。主に儀式用。
古墳〜平安
60〜130cm
0.5〜0.9kg
カンピラン
campilan
東南アジアボルネオ島に住むイバン族固有の刀剣。片刃で幅広な刀剣。柄頭が湾曲しているのが特徴。この部族には首狩りの習俗があり、この剣で敵の首を切り落とし武勲とした。
16〜20世紀
70〜110cm
0.9〜1.6kg
キドニーダガー
kidney dagger
ヨーロッパボロックナイフの一種で、『親切な短剣』という意味の名前を持つ。この名前の由来は瀕死の味方や敵を楽に死なせることを目的に作られたからで、鎧の隙間から刺突することができるように細身になっている。
14世紀
25〜35cm
0.3〜0.4kg
キラ
kira
オーストアリアオーストラリア先住民、チュジンギリー部族で使われる石製短剣。主な使用目的は日常生活での道具で、ポケットナイフと変わらない。剣身と柄をくっつけるのにゴム樹脂が使われるものもあり、現在でも使用されている。
?〜20世紀
15〜30cm
約0.1kg
キリジ
kilij
中近東他片刃、主に切ることを目的とした刀剣。トルコ語の『剣(kilic)』がなまってこの名がついた。湾曲した刀身はシャムシールと酷似している。中には疑似刃(剣身の3〜4分の1の長さ)を持つものもあった。
16〜19世紀
80〜90cm
1.1〜1.5kg
キンドジャール
kindjal
アジアコーカサス地方固有の短剣。直身、両刃が一般的だが、刃先が湾曲したものもまれに存在する。よく剣身には刻印や文字が刻まれている。幅広で大きな柄頭を持ち、鞘などにも細工された非常に豪華なつくりのものも存在する。また、これを用いた部族と敵対関係にあったグルジア人がこれを基に作った短剣で『クマ(qama)』と言うものも存在し、良く似た特徴を持っている。
15〜19世紀
30〜55cm
0.4〜0.6kg
ククリ
kukri
ネパールネパールのグルカ族が用いるナイフでグルカナイフとも呼ばれる。象牙製、又は木の柄を持ち、刃の根元に小さなくぼみがある片刃のナイフで、全体が軽く湾曲している。このくぼみは女性性器の象徴で刃の切れ味を増すと考えられている。刃の重みが切っ先に来るように計算されており、その為あまり筋力を必要とせず、非常に高い殺傷能力を持つことができる。
?〜現代
45〜50cm
0.6kg
クディ・タランチャグ
kudi tranchang
東南アジアジャワ・マレー半島に見られる刀剣。長い柄を持ち、斬撃用として使われる。また、切っ先のあるものも存在し、突くことも出来た。現在では工具としても使用される。
15〜20世紀
60〜70cm
1.5〜1.7kg
グバサ
gubasa
西アフリカダメホという王国で使われた儀式用の刀剣。グバサにはこの国の人々の信じる神話に基づき、神の加護を得られるようなテーマが描かれた。この剣を所持できたのは地位の高いものだけだった。
17〜19世紀
70〜80cm
1.1〜1.3kg
クファンジャル
khanjar
中近東アラビア語で『肉きりナイフ』の意味をもつ短剣。S字型に湾曲した刀身を持つ。インド、ペルシアでも用いられるが、こちらは初期に作られた直身になっているものが一般的。後期あたりから象牙等で装飾されたものが出現し、貴族の護身用武器として携帯されるようになった。
12〜19世紀
30〜40cm
0.2〜0.3kg
グラディウス
gladius
西ヨーロッパグラディウスとはラテン語の『剣』を意味する言葉。一般的にこの言葉のさす刀剣とは、ローマの歩兵たちが用いた物のことで、両刃で幅広の刀剣。主に刺突用に用いられ、非常に使いやすく作られており、後々の刀剣の祖形となった。
B7〜A4世紀
50〜75cm
0.9〜1.1kg
クリス
kris
東南アジアマレー語で『短剣』を意味する名前の刀剣。マレー民族の神話等と密接な関係にあり、1本1本が特別な意味を持ち、邪悪を退けると信じられている。刃は波打っているものと、真っ直ぐなものがあり、様々な装飾、複雑な構造をしている。世界で最も洗練された武器として知られる。
8世紀〜現代
40〜60cm
0.5〜0.7kg
クリス・ナーガ
kris naga
東南アジア短剣の中でも最も美しいといわれるクリスの一種で、刀身には花模様が浮かんでいる。刃の根元に竜(naga)をあしらっていることからこの名で呼ばれる。刀身は波打っており波の形に合わせて、刃の中心には金の象眼(竜の尻尾に見立てている)が施されている。武器としてではなく、主に、儀式、呪術用として用いられた。
16〜20世紀
60〜70cm
0.7〜0.8kg
クレイモア
claymore
西ヨーロッパ恐らくもっとも有名な両手剣。スコットランドのハイランダー達の刀剣で、クレイモアとは『巨大な剣』という意味のゲール語(claidhemoha mor)から派生した言葉。大きさにはバラつきがあり、片手で扱えるものも存在したようである。幅広、薄身の剣身で飾り気が無く、護拳が軽く切っ先に向かって傾斜しており、その先端にいくつかの輪が飾としてついている。重さではなく、切れ味で勝負することも有名。
15〜18世紀
100〜190cm
2〜4.5kg
クレワング
klewang
東南アジア直身、片刃の刀剣。セレベス島のリマ・パララという部族が主に使う。握りが刃先に向かって極端に曲がっており、断ち切り用の刀剣として扱われる。(この形状は断ち切り用の刀剣に多く見られる。)武器だけではなく、様々な用途に用いられた。
16〜20世紀
60〜70cm
0.8〜1.0kg
黒作大刀
(クロヅクリノタチ)
日本『こくさくたち』とも呼ばれる直身、片刃の刀剣。飾剣と同じ流れをくむ剣で装飾をなくし、実戦用に作られたもの。鞘は黒く塗られており、この名がつけられた。
奈良
70〜80cm
0.7〜0.8kg
軍刀
(グントウ)
日本--
--
--〜--cm
--〜--kg
毛抜型太刀
(ケヌキガタタチ)
日本別名『野剣(ノダチ)』とも言われる柄と刀身が一体化した刀剣。馬上からでも斬りつけやすくする為、柄と刀身に強い反りを持つ。名称の由来は柄の中央部分がくりぬかれており、その形が古代の毛抜に似ていることから名付けられた。
平安〜南北朝
80〜100cm
0.9〜1.1kg

(コウガイ)
日本刀装具。小柄と同じく鞘に装着する。笄は髪を直す、痒いときに用いる等の他に、討ち取った敵の首にひもを通すための穴を開けるのに使われた。
古墳〜江戸
10〜20cm
0.1kg前後
小柄
(コヅカ)
日本刀装具。鞘の脇の専用のスリットに差し込む。小柄は現在のナイフのような使われ方をされており、室町時代からは柄と刀身が一体化したものを小柄と呼んだ。
古墳〜江戸
10〜20cm
0.1kg前後
コピス
kopis
古代ギリシアギリシア語で『切る』を意味するコプト(kopto)から名づけられた刀剣。その名前の通り切ることを目的とした物で、片刃、よくマカエラと混同されるが、こちらは湾曲した刀身の内側に切っ先がある。ギリシアで発明されたのではなく、外来の刀剣(エジプト説が有力)であり多くの地域に広まっていった。
B10〜B2世紀
50〜60cm
0.9〜1.0kg
コピシュ
kopsh
中近東古代エジプトで使われた片刃の刀剣で、鎌剣(sickle sword)とも呼ばれ、後の同様の形状を持つものの総称にもなっている。その呼び名の通り刀身は湾曲しており、その外側に刃がついている。柄は木製で、小ぶりで扱いやすいため重宝された。
B20〜B10世紀
40〜60cm
0.8〜1.2kg
コラ
kora
ネパール片刃、湾曲した刀身の内側に刃を持つグルカ族の刀剣。コピスを祖に持つとされ、切っ先が異常に大きく、重いため振り下ろしたときの威力は凄まじい。
9〜19世紀
70cm
1.4kg
コラムビ
korambi
東南アジアスマトラ、スラウェシ島などで用いられる、剣身が鎌上に曲がった、斬ることを専門とした短剣。この形状のものには弧の内側にのみ刃があるものが多いが、この短剣は外側にもついており、えぐるように突き刺すこともできた。柄頭が球状に膨らんでおり握りやすくなっている。
16〜20世紀
15〜20cm
0.1kg前後
コリシュマルド
colichemarde
西ヨーロッパ当時使われていた刺突用の刀剣は、両手で使う重たいものがほとんどだった。その為、片手で扱えるようにフェンシングで使われていたものを改良した。剣身を細く、先をさらに細くとがられせた。柄は短く、片手で扱う。
17〜18世紀
70〜100cm
0.8〜1.0kg
ゴロキ
golok
東南アジアマレーシアで用いられた山刀。大小さまざまなものが存在しそれらの総称にもなっている。戦場に携帯されたが、敵に斬りつけるのではなく、主になたのように用いられた。片刃で柄は湾曲し、刀身は中央部で膨らんでいる。
16〜20世紀
15〜35cm
0.1〜0.3kg
サイフ
saif
中近東アラビアで使われる刀剣。広めで湾曲した剣身を持つ。握りはフック状に曲がっており、鍔は十字型で、握りの先端と護拳でつながっているものもある。サイフとはアラブの刀剣を指す言葉。
13〜19世紀
75〜95cm
1.2〜1.8kg
サイフォス
xiphos
古代ギリシア全て青銅で作られた刀剣。剣身が中央部で膨らみ、鍔の近くでは細くなっている。古代ギリシアではパスガノン(phasganon)と呼ばれていたが、この言葉は当時の刀剣類全てを指す広い意味を持った言葉だった。
B15〜B3世紀
35〜60cm
0.7〜1.2kg
サクス
sax
西ヨーロッパサクソン民族固有の片刃のナイフ。大型の刀剣タイプも存在した。初期、民族大移動の際などには長剣とともに携帯された補助武器だったが、騎士道が広まると大型の物は消え、日常の道具となった。ゲルマン系民族の墓から副葬品としてよく見つかる。
B5〜A10世紀
30〜40cm
0.2〜0.3kg
サパラ
sapara
中近東古代アッシリア帝国の刀剣で片刃、柄と刀身が一体化している。鎌剣と呼ばれるものの中でも最も古い部類に入り、もともとは斧から発展したと考えられている。
B16〜B7世紀
70〜80cm
1.8〜2.0kg
ザファー・タキエ
zafar takieh
インド『勝利をあてがうもの』の意味を持った剣。インドの統治者が演説するときに持った。柄頭がT字型をしており、杖のような外見をしている。片刃と両刃のものがあり、両刃のものは元々は統治者が緊急時に使う隠し武器だった。
15〜18世紀
70〜80cm
0.6〜0.8kg
サーベル
sabre
全世界騎乗した兵士が使いやすいように軽く、できるだけ長く作られた。片刃、しなやかに湾曲した刀身を持つ剣。英語ではセイバー(sabre)と呼ばれる。様々な形状があり、用途も違う。その汎用性の高さから世界各国で用いられた。
16〜20世紀
70〜120cm
1.7〜2.4kg
サラワー
salawar
南アジア片刃、鋭い切っ先を持った刀剣。パキスタンとアフガニスタンの間にある、ハイバル峠の周辺の部族が使用していたもので『ハイバル・ナイフ』『アフガン・ナイフ』等の呼ばれ方もする。
14〜20世紀
50〜90cm
0.6〜1.0kg
シィンクエディア
cinquedea
ヨーロッパ幅広の剣身をもつ装飾用短剣。その名前は身幅が五本の指ほどもあることから名付けられたもので『五本の指(cinque dita)』という言葉がなまったもの。剣身には溝が掘られたり、象眼、金メッキなど様々な装飾が施されている。
13〜15世紀
40〜60cm
0.6〜0.9kg
仕込み杖
(シコミヅエ)
日本杖の中に刀剣を仕込んだもの。主に護身用の隠し武器。そのほとんどは廃刀令の後に作られたもののため、ステッキ状のものがほとんどである。
江戸〜近世
50〜70cm
0.8〜1.0kg
忍び刀
(シノビカタナ)
日本文字通り忍者たちが用いた刀剣。短いものが多く(狭い場所でも使いやすくするため)また塀などに立てかけ登りやすくするため鍔は四角になっている等、色々な配慮が施されている。
室町〜江戸
40〜60cm
0.3〜0.8kg
シャスク
shashqa
東ヨーロッパコーカサス地方のチェルケス人固有の剣。ロシアの軍隊が採用した刀剣としても知られる。日本刀のように緩やかにカーブした刀身に疑似刃を持つことから、斬ることも突くこともできる。鍔はなく、握りは木製で柄頭に突起物がある。
17〜20世紀
80〜100cm
0.9〜1.1kg
ジャドプラーテ
jagdplaute
ヨーロッパ狩猟用に用いられたサーベル。広い剣身を持った断ち切り用の刀剣で、ハンテティング・フォールション(hunting falchion)とも呼ばれる。実際に使われたわけではなく、豪華な飾、象牙製の柄などから貴族の飾りであったと考えられている。
17〜19世紀
50〜70cm
0.6〜0.8kg
ジャマダハル
jamadhar
インド西洋ではカタールとして伝えられてしまった短剣。こちらの名称が本来のもの。インドのイスラム教徒の用いる突く短剣で、風変わりな柄を持つ。刀身から水平に伸びた二本の棒に、その間に渡された横木を握って用いる。これを発展させたものにパタがある
14〜19世紀
30〜70cm
0.3〜0.8kg
シャムシール
shamshir
中近東ペルシア語で『ライオンの尻尾』を意味するペルシアを代表する刀剣。日本では三日月刀、英語ではシミター(scimitar)と呼ばれる。刀身は湾曲しており、その外側に刃がある。もともとペルシアの刀剣は直身の物だったが、主な使い方は断ち切ることがほとんどだった為、次第に湾曲していき現在の形になった。柄は『ライオンの頭(lion's head)』と呼ばれ、柄先端の部分が切っ先側(刀身の湾曲と反対側)に向かって湾曲している。隣国のオスマン帝国でもキリジの名で用いられた。
13〜20世紀
80〜100cm
1.5〜2.0kg
ジャンビーヤ
jambiya
中近東--
17世紀〜現代
20〜30cm
0.2〜0.3kg
シュヴァイツァサーベル
schweizersabdl
スイススイスで作られ、ヨーロッパにおいてはじめて使われたサーベル。当時はバスタードソードのひとつとされていた。切っ先から3分の1が両刃、残りが片刃になっており、この形状の切っ先のことを疑似刃と呼ぶ。
16世紀
80〜90cm
1.5〜2.3kg
手裏剣
(シュリケン)
日本文字通り”手の裏に隠せる剣”。投擲して使う。星型、卍型、棒型などさまざまな形状が存在し、さまざまな投げ方をする為、流派も生まれた。また流派の中では手裏剣を投げることを『打つ』という。
戦国〜江戸
10〜15cm
0.1kg前後
ショーテル
shotel
アフリカ北部エチオピアで用いられた、極端にカーブした剣身を持つ両刃の刀剣。柄は木製で、これを持つ手を守る工夫はされていない。この形状は盾を持つものに効果的に攻撃できるよう発達したもの。鞘に納まらないため、腰にそのままつるすか、ベルトに挟まれたりして持ち歩かれた。
17〜19世紀
75〜100cm
1.4〜1.6kg
ショートソード
short sword
西ヨーロッパロングソードより短い剣の総称。剣身は主に2種類あり、両刃で切っ先から柄に向かうにつれて太くなっていく物と、一定の太さのものがある。刺突利用や乱戦時に折れることの無いよう、短く丈夫に作られている。当時行われていた下馬し、敵を迎え撃つ戦術を担った重装歩兵(メンアットアームズ:men at arms)の装備で、彼らが功績を挙げたことでショートソードが広まった。
14〜16世紀
70〜80cm
0.8〜1.8kg
ジラハボック
zirah bouk
中近東ペルシアで用いられた『鎧通し』の意味を持つ、切っ先が鋭く上向きになっている短剣。突き刺すことのみを目的としたもので、鎧の隙間を突き通すようにして用いられた。この形状の短剣はよく誤解されているが、決して鎧の上から突き刺すことを目的としては作られていない。
16〜18世紀
15〜25cm
0.1〜0.2kg
シンクレアサーベル
sinclair sabre
ヨーロッパスコットランドの傭兵隊の隊長にちなんで名付けられた刀剣。シンクレアーソードとも言われる。握りを完全に囲むほど大きな護拳を備えた剣で、元々はドイツで使われたものだった。剣身は細く、わずかに湾曲している。疑似刃を有するものが多く、幅広の姿からブロードソードの一種ともされる。
17〜18世紀
70〜90cm
1.5〜1.8kg
スキアヴォーナ
schiavona
西ヨーロッパブロードソードの一種で、スキアヴォーナとよばれる網状の鍔をもつ剣。鍔からそのまま命名された。ヴェネチア共和国の元首親衛隊の武器で、彼ら専用の武器として部隊が廃止されるまで使われた。スキアヴォーナとは『スラブの(slavonic)』という英語から発生したもの。
16〜18世紀
70〜85cm
1.5〜1.7kg
スクラマサクス
scramasax
ヨーロッパ片刃の刀剣。使い勝手の良かったサクスはしばしば武器として使われ、それを巨大化してこの剣が生まれた。『scrama』は”短い””傷つける”、『sax』は”剣””ナイフ”を意味し、『ショートソード』か『戦闘用ナイフ』と訳せる。あの有名なエクスカリバーはこの刀剣の一種ではなかったかとの説もある。
6〜11世紀
50〜70cm
0.6〜0.8kg
スティレット
stiletto
ヨーロッパ細く、鋭い剣身をもつ短剣をさす言葉。名称は蝋板に文字を書く道具のステュルス(stylus)から名付けられた。この剣は剣身を横に切断すると三角形(もしくは四角形)をしているのが特徴。鎧相手に効果的に突き刺すことができ、新しい鎧がいくつも生まれた当時、広く使われることとなる。また17〜18世紀のイタリアでは戦闘用ではなく、砲兵部隊の兵士達が、砲口や砲弾の大きさを計測する為に使われ、それらには剣身にメモリが書かれていた。
16〜19世紀
20〜30cm
0.1〜0.3kg
スパタ
spatha
古代ローマギリシア語で『つぼみ』又は『包葉』を意味するローマ軍が用いた刀剣。古来からつぼみには”刺し貫く”イメージがあった為、この名がつけられたと考えられている。騎兵隊が馬の上から刺突しやすいよう、片手で扱いやすい重さで、直身、細身、当時あったローマのグラウディウスよりも長く作られていた。
B7〜A4世紀
60〜70cm
0.9〜1.0kg
スペツナズナイフ
Spetsnaz knife
--柄の中にバネが仕込まれており、刀身自体を弾き飛ばしす仕組みを組み込んだナイフ。飛距離は数十メートル、有効射程は約10メートル。無論普通のナイフとしても使え、飛ばして使うのは最終手段となる。スペツナズ(Spetsnaz)とは元々ロシア語で”特殊部隊”を意味し、実際に現在でもスペツナズは存在している。
--
--〜--cm
--〜--kg
スモールソード
small sword
西ヨーロッパレイピアを小型化した刀剣。18世紀には剣はファッションの一部となり、派手な装飾をされたものも多く存在する。また実用的な変化も見られ、敵の攻撃を受け止め、絡めとり、へし折るなどの目的を持ったスウェプト・ヒルト(swept-hilt)を持ったものが出来た。
17〜20世紀
60〜70cm
0.5〜0.7kg
スローナイフ
Throw knife
全世界--
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--
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セミ
seme
アフリカ南部サバンナに居住するマサイ族の剣。先端が太く握りに向かうにつれて細くなっている両刃の刀剣で、切っ先が重いため軽く振るうだけでかなりの切断力を有する。とてもシンプルな作りで、剣の握りは皮布を巻きつけただけになっている。
17〜20世紀
50〜65cm
0.6〜0.8cm
ソースン・パタ
sosun patta
インドサンスクリット語で『ユリの葉』を意味する片刃の刀剣。古代ギリシアのコピスを祖に持つと考えれている。くの字型に湾曲した刀身の内側に刃を持ち、断ち切る威力を高めている。皿上の柄頭を持ち、十字型の鍔と中央の膨らんだ握りは一体化している。この特徴をパンジャブ様式といい、インドに用いられた刀剣の代表的な特徴である。
8〜19世紀
80〜100cm
1.2〜1.5kg
ソードステッキ
sword stick
ヨーロッパ杖に偽装した刀剣。杖、刃の形状、大きさなどはさまざまなものがある。この刀剣が広まり始めたのは、帯刀する習慣がなくなった為で、これまでの刀剣に変わり、ソードステッキが彼らのアクセサリー代わりとなった。
18〜20世紀
50〜80cm
0.5〜1.0kg
ソードブレイカー
sword breaker
ヨーロッパ敵の攻撃を受け止め、へし折る目的で作られた防御用の短剣。銃の登場で鎧が使われなくなったころに誕生した。形状は様々で、今日最も知られているくし型の物も作り出された。
17〜18世紀
25〜35cm
0.2〜0.3kg
ダー
dha
東南アジアビルマ固有の刀剣。片刃、直身以外の共通点は無く様々な形状がある。斬り合い用の刀剣だが鍔は無い。刀身にはよく装飾などがみられ、また柄や鞘は木製でこちらも浮き彫りなどが施されているものが多々ある。
16〜20世紀
80〜90cm
0.9〜1.0kg
ダオ(1)
dao
南アジアインド北東部のカシ族の剣。切っ先を持ち、両刃を備えた両手剣。長い握りを持ち、柄の上部と中央部、2箇所に鍔をもつ独特の形状をしている。見た目に反してバランスは取れており、扱いやすかったと考えられている。
15〜20世紀
100〜130cm
3.0〜4.0kg
ダオ(2)
dao
南、東南アジアナガ諸族などが用いた刀剣。カシ族が用いたものとはまったく形状は異なり、短く、片刃、刀身は四角形をしており、武器だけではなく、色々な用途に使われた。またこれを用いたナガの人々が敵の首を切り落としたのもこのダオだった。
16〜20世紀
50〜80cm
0.7〜1.0kg
ダガー
dagger
全世界(英語圏)短剣の総称。様々な形状を持ち、その扱いやすさから重宝される。戦闘では敵の攻撃をかわす防御用のもの(ソードブレイカー等)以外では、そのほとんどが刺突することを主目的にしている。
11〜20世紀
30cm前後
0.2kg前後
ダーク
dirk
イギリスボロックナイフの流れを汲むもので、スコットランドの精鋭として知られるハイランダーたちの短剣。柄は革や蔦の根、象牙などで作られており、ケルトの文様が施されている。ハイランダーはこの短剣を一生身着けて離さない。両刃、直身で、片方の刃はでこぼこに作られておりのこぎりのようにも使える。主に日常生活で使われ、とっさの武器としても使用された。彼らは他にもクレイモアと呼ばれる大剣も使っていた。18世紀のイギリスでは海軍の正式装備として用いられた。
15世紀〜現在
15〜25cm
0.25〜0.4kg
タコーバ
takouba
アフリカ北部サハラ砂漠を支配したトゥアレグ族固有の剣。直身、両刃、十字型の鍔を持つ。同じ特徴の剣カスカラがあるが違いは肩にかけるか、腰に巻くかの違いで、こちらは腰に巻く。恐らく両者は同じ経路でもたらされたと考えられている。
16〜19世紀
50〜100cm
0.6〜1.5kg
太刀
(タチ)
日本大きく反った形を持った片刃の刀剣。この反りは馬上から斬りつけるときに有利として、毛抜型太刀から受け継いだもの。
鎌倉〜南北朝
75〜120cm
0.6〜1.0kg
タック
tuck
ヨーロッパ刺突専用の刀剣。両手で握れるように柄は長く出来ている。別名メイル・ピアシィングソード(mail-piercing sword)と呼ばれ鎧を突き通して攻撃する目的で作られた。切っ先しか刃がつけれておらず、主に軽騎兵の補助武器として使われた。鎧の強化、銃器の登場により次第に使われなくなっていったが、東ヨーロッパでは長く使われ、兵士たちの間ではノッカー(konchar)と呼ばれていた。フランスではエストックとも言われる。
13〜17世紀
100〜120cm
0.8〜0.9kg
ダマスカスソード
damascus sword
インドダマスカス鋼で作られた刀剣の総称。この金属は鎧に斬りつけても刃こぼれしないすばらしい素材だった。ダマスカス製の刀剣は表面に浮かび上がる水面のような波紋を持っていた。
7〜18世紀
70〜110cm
1.4〜1.8kg
タリボン
talibon
東南アジアフィリピンのキリスト教に使われた片刃の刀剣。鋭い切っ先を有し、刀身の中央は幅広になっている。握りはくの字型に曲がっており、斬るときにスナップを効かせることで威力を増すことが出来る。元々は鉈のように使われる日用品だったと考えられる。
19〜20世紀
50〜65cm
0.25〜0.4kg
タルワール
talwar
インド片刃、湾曲した刀身の外側に刃を持つインドの刀剣。サーベルの一種で、パンジャブ様式という皿上の柄頭、鍔と握りが一体化している等の特徴を持っている。この剣はヨーロッパにも伝わり、様々な影響を与えた。また特に湾曲の大きなものはテグハと呼ばれた。
16〜19世紀
70〜100cm
1.4〜1.8kg
タバ
tuba
東南アジアイスラム教徒として知られるモロ(ムスリム)達に広く使われている短剣。鎌上に湾曲した刀身の内側に刃を持つ切断を目的とした短剣。柄はブラックウッドと呼ばれるアカシア属の木でできており柄頭は球状に丸まっている。
17〜20世紀
20〜30cm
0.1kg前後
短刀
(タントウ)
日本30cm程度の刀を指す。古くから存在していたが、鎌倉時代になり登場した刺刀(サスガ)の登場により本格的に使われ始めた。混戦時に補助武器として、または鎧の隙間を刺す等の使われかたをした。
古墳〜江戸
30cm以下
0.3kg程度
チャークー
charqu
インド魚の背骨のような形状をした刀剣。櫛状の複雑な剣身を持つものは大概相手の剣を絡めとり、へし折る目的のためのもので、この剣もその目的で使われた防御用の刀剣だったと考えられる。
16〜17世紀
約70cm
1.0kg
チャクラム
chakram
インド金属製の輪状のナイフ。輪の外側は全て刃でできており投げて使う。飛距離は40〜50mと大変長く、また切ることを目的とした投擲武器の中では非常に珍しい武器。
16〜19世紀
10〜30cm
0.15〜0.5kg
チョーラー
choora
南アジア片刃、鋭い切っ先と刃を持つ短剣。アフガニスタン東北部、ハイバル峠周辺に住むマッスド族が用いたもので、柄が刃がある側にL字型に曲がっており、断ち切ることが得意であったとその形から推測される。
14〜20世紀
20〜30cm
0.1〜0.2kg
チラニム
chilanum
インド両刃、広く、湾曲した剣身を持つ短剣。柄頭は棒状で、細い握りを守るように鍔の片方が長く垂れ下がっており護拳となっている。主にムガール帝国で使われたものだが、ムガールに敵対するマラータ、ネパールでも作られ、それらは二重に湾曲した剣身を持ち、柄頭と鍔が大きく開いている。
16〜19世紀
30〜40cm
0.3〜0.4kg
ツヴァイハンダー
zweihander
ヨーロッパ元々はドイツで使われた両手剣だったが、独特の形状を持っていたためヨーロッパで新しい名前を与えられた。通常のものとくらべ刃根元(ソリッカ)が長く、兵士たちはこの巨大な剣を背負うためにこの部分にひもなどをくくりつけ背負って持ち歩いた。またこの部分を握って振り回すことにより威力が増したようである。
13〜17世紀
200〜280cm
3.5〜9.0kg

(ツルギ)
日本両刃の直刀。鍔元を凹凸にした物や、柄頭が円盤状になったものもある。身分の高いものが使った。日本書紀、古事記の中で『剣』とは霊剣などの意味で使われるもので、日本古代の神剣のほとんどはこの形状である。
弥生〜古墳
70〜90cm
0.3〜0.5kg
テグハ
tegha
トルコ等モンゴルから伝わった刀剣。トルコ人が用いた刀剣の中でもっとも湾曲した刀身を持つ。曲がりすぎていたためか17世紀に入るとトルコでは使われなくなり、周辺国のインド、ペルシアでしか見ることが出来なくなった。
16〜17世紀
90〜100cm
1.6〜2.2kg
テブテジュ
tebutje
オセアニアキリバス諸島に固有の剣。刃は金属ではなく全て鮫の歯でつくられた風変わりな刀剣。キリバス諸島が発見されたのは181世紀のことだがその当時から使われていたため、いつから存在しているかは不明。決まった形状は無く、作ったものの個性で様々な形状が在る。
?〜20世紀
40〜100cm
0.3〜1.0kg
テレク
telek
ヨーロッパサハラ砂漠に住んだトゥアレグ族固有の短剣で、直身、両刃。最大の特徴は握りが十字型をしていることで人差し指と中指で握りをはさむようにして用いる。 突き刺すことを目的とした剣で、握りがこの形状になったのは威力を増す工夫として編み出されたものだと考えられる。上腕部に装着され、緊急事態にもすばやく対応できた。
11〜20世紀
30〜45cm
0.2〜0.25kg
トゥハンディットソード
two handed sword
西ヨーロッパ名前が示すとおり両手で扱う巨大な刀剣。180cmを超える大剣で、普通に腰につることが出来ないため背負ったり、そのまま担いだりして持ち歩いた。遠征には馬車などに積んで持ち歩いたようである。両手がふさがり、盾が扱えないため一対一の決闘、敵の槍を切り落とす等で使われた。この種類に属する剣としてツヴァイハンダークレイモアフランベルジュエグゼキュージョナーズ・ソード等がある。
13〜16世紀
180〜250cm
2.9〜7.5kg
ドゥサック
dusack
ヨーロッパボヘミア地方で使われた片刃の湾曲した刀剣で、ボヘミアン・フォールションとも呼ばれる。後期には軍刀として用いられ銃が使われるようになっても補助武器として携帯されていた。同時期の軍刀としてサーベルがあるが歩兵には、飾り気が無く手軽で汎用性のあるこの刀剣が支給された。
16〜19世紀
50〜70cm
1.5〜1.7kg
ドレスソード
dress sword
ヨーロッパ宮廷の貴族たちが用いた儀式用(決闘用)の刀剣。軽量、細身のもので当時の剣術は『フラーズ・ダムル(Phrase D'Armes)』と呼ばれ、何度も剣を交えるのが作法だったため、このような形状になった。次第にこの刀剣は装飾品として使われるようになり、派手な装飾を施されたものが主流になっていった。
18〜20世紀
60〜70cm
0.5〜0.6kg
ナイフ
knife
全世界片刃の短剣の総称でもっとも普遍的な短剣。小さなものは家庭で用いられ、巨大なものは狩り、戦場などで使われた。
B10世紀〜現代
5〜30cm
0.1〜0.4kg
長巻
(ナガマキ)
日本柄が3〜4尺、刀身が3尺前後という非常に長く重い刀剣。元は野太刀に長い柄を取り付けたもので、槍に慣れない者は長巻を使っていた。
室町〜桃山
180〜210cm
5.0〜7.0kg
ノゴディップ
nogodip
アフリカ北部ニィム族という民族が用いた戦闘用刀剣。剣身の中央と根元部分が木の葉のように膨らんでいる。木製のものと、金属製のものがあり、どちらも戦闘に用いられた。儀式用も存在し、それは普通のものより一回り大きい。この刀剣の所持は族長並の者に限られ、儀式の場合は常に左手に握られてなければならなかった。
17〜19世紀
50〜65cm
0.7〜0.8kg
野太刀
(ノダチ)
日本非常に大きな太刀。文献上の記録では最大の長さが9尺3寸のものがある。現存するもので最大の長さは7尺4寸2分(約225cm)。ちなみに野剣(毛抜型太刀)とは別物。
鎌倉〜桃山
90〜300cm
2.5〜8kg
ノバキュラ
novacula
古代地中海地方キプロス島で用いられた、刀身が鎌、もしくはフック状になった短剣。弧の内側に刃があり、武器以外としても日本の様に稲を刈る鎌のような使われ方をしたと考えられる。刀身と柄は一体成型で作られており、柄に何か巻いて使われていたと考えられている。
B7〜B5世紀
20〜30cm
0.3〜0.5kg
バイオネット
bayonet
全世界接近戦用に銃の先端に取り付ける短剣。この名前はこの短剣が最初に作られたフランスのビヨーネ(bayonne)から名付けられた。作られた当初は銃口に差し込む単純なものだったが、これは弾を装填する際邪魔になり(まだこの時の銃は銃口から弾を込める前装式だった)、後期には 現在使われているような銃口の邪魔にならないように折れ曲がったものが誕生する。
16世紀〜現代
30〜60cm
0.2〜0.4kg
バスタードソード
bastard sword
西ヨーロッパ斬ることにも突くことにも適した、片手でも両手でも扱うことの出来る刀剣。斬るときは片手、突くときは両手で用いた。当時の刀剣は斬ることに適したもの(ゲルマン系という)と突くことに適したもの(ラテン系)があり、その両方の特徴を持っているため『混血(bastard)』の名前が与えられたと考えられている。ハンド・アンド・ハーフ・ソードとの違いは管理人には分からず。
15〜16世紀
115〜140cm
2.5〜3.0kg
バゼラード(1)
baselard
西ヨーロッパヨーロッパで用いられたショートソードの一種。バゼラードの起源はスイスの町バーゼル(Basel)に由来する説と、ドイツの鍛冶の町ゾーリンゲン(Solingen)で作られたせつがある。現在は後者のほうが有力。バゼラードは大きく分けて三種類に分類することができる。主に長く、柄と柄頭が真っ直ぐで平行した形になっているイタリア製が刀剣に分類され、それ以外は短剣に分類される。
13〜15世紀
50〜60cm
0.6〜0.7kg
バゼラード(2)
baselard
ヨーロッパショートソードの一種としても扱われる短剣。ヨーロッパ中で使われた為、地域により形状が様々に変化している。もっともヨーロッパで使われたのは鍔が切っ先に向かいカーブしているものと、鍔が切っ先に、長い棒状の柄頭が反対側に、それぞれ反発するようにカーブしたものでこれらが短剣として扱われる。
13〜15世紀
30〜50cm
0.4〜0.6kg
パタ
pata
インドヒンズー族のひとつ、マラータ族が作った刀剣。こて状になった柄の先端に直接、真っ直ぐで両刃の剣身を取り付けてある。こての中には握りやすいように金属製のロープが張ってあり、それを握って操作する。インドの刀剣ジャマダハルが変化したものと考えられている。扱いにくく、簡単に手放せない為、手を傷める危険性があった。しかし攻撃力が高いことも有名で断ち切ることにも突くことにも優れていた。
17〜19世紀
100〜120cm
1.0〜2.5kg
バターディア
batardeau
ヨーロッパイタリアで用いられたナイフで、その主な目的はキドニーダガーと同じく傷を負った味方や敵に止めを刺すために使われた。剣身は真っ直ぐで鍔は無く、鋭い切っ先を有し、鎧の隙間からでもさせるように細くできている。刀剣とセットになっており、鞘などにつけられた専用のポケットから落ちないように柄頭が扇状になっている。
16世紀
20〜30cm
0.1〜0.15kg
バックソード
backsword
西ヨーロッパ馬上の兵士たちが用いた片刃の刀剣。細長い血溝、槍状に尖った切っ先、貝殻状、又は丸籠状の鍔、まっすぐな剣身を持ち、馬上から敵を突き刺すときに威力を発揮するように出来ている。ランス(馬上槍)のように使え、汎用性が高かったため騎兵部隊の常用武器となった。特にポーランドの重騎兵ウィング・フッサーが用いたことで有名。
17世紀
60〜80cm
0.7〜1.0kg
パティッサ
pattisa
インド中央、南インドで用いられた両刃の刀剣。柄から切っ先に向かうにつれて剣身は太くなっており、切っ先は鋭くない。片手用の刀剣だが重いことからこの剣が断ち切り専用であったと考えられている。鍔は鍵爪状に曲がり敵の武器を受け止めやすくなっている。また柄頭は円盤状で、バランスを取るためそこから尾のようなものが出ている物もある。護拳があるものも存在し、カンダとよく似ている。
17〜18世紀
110〜130cm
1.5〜1.8kg
バデ・バデ
bade-bade
東南アジアマレー人が用いた片刃、細身、軽く湾曲した刀身の内側に刃を持つ短剣。鋭い切っ先を持ち、柄が”くの字型”に曲がっていることが特徴。この柄は見かけに反して非常に使いやすい。また鞘もL字型になっているなどの工夫がしてあり、これはそのまま腰帯に挿しても落ちることの無いようになっている。
15〜19世紀
25〜35cm
0.2〜0.3kg
バデレール
badelaire
西ヨーロッパフランス語で『反り刀』を意味する名前を持った広刃で短めのサーベル。断ち切る目的で使われたため重く作られているが、船上で用いるために短く出来ている。またこの刀剣は鍔に特徴があり、左右に伸びた鍔の先端がそれぞれ切っ先側と柄頭側に向かって湾曲している。
16〜17世紀
50〜60cm
1.2〜1.5kg
パーブ
phurbu
チベット『幽霊の短剣』とも呼ばれるチベットの短剣。ほとんどが真鍮製だがまれに木製も存在する。様々な形状があり(柄頭が仏の顔、全体に竜がまきついた形等)、ひとつとして同じ形のものが無いのが特徴。切っ先は矢のようになっており、ひどく実用的でないこの形から一種のお守りであったと考えられている。
13〜20世紀
20〜30cm
0.2〜0.3kg
パヤカン
pakayun
東南アジアマレー系の原住民ムルット諸族の用いるサーベルの一種。ステッキ状に曲がった柄と片刃の刀身を持つ。この地方の人々が、スペインやイギリスの文化に触れたことでこの刀剣が出来上がった。
18〜20世紀
70〜90cm
0.7〜0.8kg
パラッシュ
pallasch
西ヨーロッパトルコ語の『真っ直ぐ(pala)』から名付けられた刀。その名前の通り騎士用の広刃の直刀で、現在でも存在しており様々な様式が作られた。主に刺突用で、ポーランドの重騎兵ウィング・フッサーはサーベルと一緒にこのパラッシュを持ち、使い分けていた。ポーランドではパラーズ(palasz)、ハンガリーではパロッス(pallos)と呼ばれる。
17〜20世紀
100〜110cm
0.9〜1.0kg
ハラディ
haladie
インドラージプート族の用いた特殊な短剣でシリアンナイフとも呼ばれる。柄の両端に片刃の曲刀の様な刀身を持つ。それぞれの刀身の切っ先は反対を向いている非常に攻撃的なナイフ
15〜18世紀
25〜35cm
0.2〜0.3kg
ハルペー
harpe
ギリシアよく『鎌剣』と称される金属製刀剣。刀身が鎌上に湾曲しており、内側に刃があるため、引っ掛けるようにして用いられる”斬る”ことを専門とした刀。柄を含めて全て一体化しており、握りは持ちやすいように中央部が山形になっている。この剣はギリシア神話のペルセウスがメデューサの首を切り落とした剣でもある。
B7〜B3世紀
40〜50cm
0.3〜0.5kg
バロング
barong
東南アジア特にスルー諸島のサマ・ラウト族に用いられる刀剣。身幅が8cm近くもあり柄頭は切っ先に向かい湾曲している。この形は非常にバランスよく作られ、扱いやすい。通常は片刃だが、両刃で突き刺せるように出来ているものもある。
14〜20世紀
30〜60cm
0.4〜0.8kg
ハンガー
hanger
西ヨーロッパアラビア語の『ナイフ(khanjar)』にちなんで名付けられた断ち切り用の刀剣。主に狩りなどで使われたため、軍用というというよりは一般的な刀剣だった。特徴的なのは切っ先から幾らかが両刃(疑似刃)になっており、これは混戦時、刺突するためにつけられた。ロシアではテサック、ドイツにおいてはドゥサックと呼ばれる。
16〜19世紀
50〜70cm
1.2〜1.5kg
バンク
bank
インドヒンディー語で”湾曲”または”曲げる”という意味の名前の短剣。鎌のような刀身の内側に刃を持つ。この形状の武器は相手の抵抗する力も利用することができ、非常に威力が高い。柄は真っ直ぐで、主に下層の兵士達が用いた寿命の長い、丈夫な武器だった。
5〜19世紀
20〜30cm
0.3〜0.5kg
ハンティングナイフ
hunting knife
ヨーロッパナイフの中でも大振りで狩りや、戦場で用いられるものをハンティングナイフと呼ぶ。ゲルマン民族の大移動の際などに用いられたサクス等がこれにあたる。
16〜19世紀
25〜40cm
0.2〜0.4kg
ハンド・アンド・ハーフ・ソード
hand and half sword
西ヨーロッパ主にドイツとスイスで発達した刀剣。握りがやや長く作られているのが特徴で、元々は重くした剣身のあわせてバランスをとるために長くされた。4世紀にわたり使われた為様々な形状のものがあり、後期になると切っ先の鋭いものも登場し、バスタードソードの使い道がなくなってしまった。
13〜17世紀
110〜150cm
2.2〜3.5kg
ピソ・ラウト
pisau raut
東南アジア--
16〜20世紀
40〜60cm
0.2〜0.4kg
ビチャク
bichaq
中央アジア他インドでも用いられる直身、細身、片刃の短刀。手になじみやすいように柄頭が刃のある側に湾曲してある。この柄は動物の骨や象牙などからつくられ、特にインドでこの短刀は長く愛用された。
15〜17世紀
20〜30cm
0.15〜0.2kg
ビチャッワ
bitchhawa
インド金属性短剣。ビチュワを発展させたもので両刃を備え、柄は鉄製の輪。これが握りと護拳の役割を果たす。護拳の部分には様々な装飾が見られるものあり、ヒンドゥーの神や、花などが飾られている。鞘は存在せず、袖などに隠して携帯し振るうときは両手で用いる。
16〜18世紀
30〜40cm
0.3〜0.5kg
ピチャンガティ
pichangatti
インドインド南東部のコダグ族の短剣。パミール語で『ハンドナイフ』を意味するこの短剣は広刃の刀身、両刃の切っ先(疑似刃)を備える。握りは細いが柄頭は太く丸くなっているなど対照的なつくりになっているこの短剣は、刀身や鞘などに象眼が施されており豪華なつくりをしている。
16〜19世紀
18〜30cm
0.1〜0.2kg
ビチュワ
bichwa
インド中部”蠍の尾”という意味のバッファローの角をそのまま用いた短剣。名前の通り蠍の尾のように複雑に湾曲した剣身をもつ。西欧では『ホーンダガー(horn dagger)』とも呼ばれるこの短剣は、柄の中央に穴があけられておりそこに指をいれ握り締めるようにして用いる。バッファローの角をそのまま用いた為刃は無く、切っ先が鋭くされており、突き刺すことのみを目的としている。
15〜16世紀
30〜35cm
0.3〜0.4kg
ピハ・カエッタ
piha kaetta
南インドスリランカ総人口の75%を占めるシンハラ族の短剣。かすかに湾曲した剣身を持つ短剣で、刃は湾曲の内側にある。柄も同じように刃のある側に湾曲しており、切っ先は両刃のものが多い。装飾されたものもあり、柄に金属製の装飾を何重にも巻きつけて鋲止めしたものなどがある。
13〜20世紀
15〜30cm
0.05〜0.2kg
ビルボ
bilb
ヨーロッパスモールレイピアとも呼ばれる西ヨーロッパで主に使われた刀剣。その名前の通りレイピアを小型化したもので、決闘などで用いられた。丈夫で両刃、血溝を持った刀剣で、鎧を着用していない敵を相手にすることを前提にしたもの。
16〜17世紀
60〜70cm
0.6〜0.8kg
ピローソード
pillow sword
ヨーロッパ和訳すれば『枕剣』という名の通り、枕の下に隠しておく緊急時に持ちいたれた護身用の刀剣。細身で真っ直ぐな剣身、鍔をもつシンプルな剣。貴族、王族たちの用いる物だった為、宝石や細やかな細工で飾られたものが多い。
17〜20世紀
60〜70cm
0.5〜0.6kg
ファルカタ
falcata
古代ローマ湾曲した刀身の内側に刃を持つ短めの非常に切れ味の鋭い刀剣。ローマ時代にはヒスパニアの刀剣だったが後にはローマでも使われるようになった。独特の柄を持ち、鳥が首を傾げたような形状、または馬の首を象った形をしている。振り上げて断ち切る曲刀独特の使われ方をする。
B6〜A2世紀
35〜60cm
0.5〜1.2kg
ファルクス
falx
古代ローマルーマニアのダキア人の用いた一体成型の金属刀剣。鎌状に湾曲しており、刃は湾曲した内側についている。両手で振り回して打ち切ることを目的とし、その威力は彼らと戦争をしたローマ軍の装備を変えさせるほどだった。
1〜2世紀
120cm
4kg
ファルシオン
falchion
ヨーロッパファルシオンとはフランス語。英語読みするとフォールションとなる。片刃、短く重く作られた断ち切り用刀剣で、刃が緩やかに個を描き、対してみねは真っ直ぐであることが特徴。まれに反りのあるものも存在する。
10〜17世紀
70〜80cm
1.5〜1.7kg
フィランギ
firangi
インドムガール帝国の崩壊を早めたとされるマラータ族の用いた刀剣。『外来(feringi)』という言葉から名付けられたもので、真っ直ぐな剣身と鍔、柄頭からなる柄の形状が西欧で用いられていたものと似ていたからである。切っ先から三分の二ほどが両刃(疑似刃)になっている。
17〜18世紀
110〜150cm
1.6〜2.0kg
フェザースタッフ
feather staff
西ヨーロッパブランドエストックをもとに開発された歩兵部隊の下仕官が用いた武器。ブランドエストックと同じく振り回すことにより刃が柄より飛び出して、留め金で固定される。また中央の長い刃の周りにも短い刃が飛び出すようになっており、この刃は敵の武器を受け止めたりすることに用いられた。
17〜19世紀
150〜200cm
1.0〜2.0kg
フォセ
faus
ヨーロッパ別名ファンとも呼ばれる刀剣で、それぞれ『曲がった物』『鎌』の意味を示す。その名前の通り剣身は軽く湾曲し、切っ先近くのみねは両刃で突起物がある。この突起は何かを引っ掛けて切る、横殴りに突き刺す等に使われた。剣身は厚く重く肩越しに担いで振り下ろすようにすることで最大の威力が出る。
12〜14世紀
100〜120cm
3.0〜4.0kg
プギオ
pugio
古代ローマ古代ローマの兵士達が用いた両刃、広身の短剣。もともとローマ兵は短剣を装備する事は無かったが、スペインの同盟軍の影響で習慣付けられたと考えられている。
B1〜A5世紀
20〜30cm
0.1〜0.2kg
ブランドエストック
brandestoc
西ヨーロッパイタリアのロンバルディア地方で作られた隠し武器。柄の中に剣身が隠されており、柄を持って振ることにより刃が飛び出て、留め金により固定される。ブランドとは『brandish(振り回す)』でエストックを組み合わせて名づけられた。この武器の特徴は全体を柄の長さまで縮められることにあり、持ち歩きやすかった。
15〜17世紀
150〜200cm
1.0〜2.0kg
フランベルグ
flamberg
西ヨーロッパドイツで作られた初期のフランベルジュ。波刃形の剣身をもつレイピア。17世紀におきた刀剣にファッション性を持たせる動きで作られたもの。のちに生まれるフランベルジュの原型となったことは十分に考えられる。
17〜18世紀
70〜80cm
0.8〜0.9kg
フランベルジュ
flamberge
西ヨーロッパフランス語の『火炎の形(flamboyant)』という言葉から名付けられた刀剣。剣身が波打っている非常に美しい両手剣。この波状の刃は斬りつけたとき傷口を広げる役割をする。戦場で使われることがなくなっても、その美しい外見により、儀式用として近年まで使われていた。
17〜18世紀
130〜150cm
3.0〜3.5kg
フリッサ
flissa
アフリカ北部アルジェリアの北東部、カビール人の生み出した刀剣(短剣)。細身の刀身に鋭く長い切っ先を持つ。また刃の中間部分が少し膨らみ、波打っている。これにより切れ味を増している。ヤタガンコピスが起源という説あり。
18〜20世紀
90〜120cm
1.4〜1.8kg
フルーレ
fleuret
西ヨーロッパ今日でもフェンシングで使われている刀剣。登場した当時、剣術の練習に怪我は付き物だった。そこで練習用に切っ先を丸め刃を落としたこの剣が生まれた。
17世紀〜現代
100〜110cm
0.3〜0.5kg
プルワー
pulouar
インドインドで生まれた片刃の刀剣でタルワールのひとつ。刀身は広く、先端は両刃になっている(このような刃のことを疑似刃という)。インドの刀剣が曲がり始めたのは13世紀のころでこれは馬上から刺突していたのが、地上で斬りあいに変化したことを示している。
16〜20世紀
80〜90cm
1.2〜1.6kg
ブロードソード
broad sword
西ヨーロッパ両刃の断ち切り用刀剣。切ることを目的としている為、拳を守る工夫がされているものが多い。ブロード(broad:広い)と名付けられているが、これは当時、細身の剣が流行していた中で太めの剣だった為。地上で戦う兵士以外にも馬上の兵士たちにも愛用されるようになり、後期には多くの騎兵たちが装備していた。ブロードソードの種類としてはレイテルパラッシュスキアヴォーナ、広い定義ではカッツバルゲルワルーンソードもこの剣に分類される。
17〜19世紀
70〜80cm
1.4〜1.6kg
ベイダナ
beidana
西ヨーロッパイタリアの農夫達が用いてきた片刃の刀剣。根元から刃先に向かって身幅が広がっている。大きさは様々だが柄の長さは一定で約10cm。日常生活では主に木を切るなたのような使われ方をしたが、有事の際には武器としてベイダナが握られていた。
15〜18世紀
50〜75cm
0.8〜1.3kg
ペシュカド
peshqabz
中近東/インドペルシア、インド固有の片刃の短剣。ペルシアではカルド(karud)と呼ばれることもあるこの短剣は、切っ先、柄が湾曲しており、全体では軽くS字型をした短剣である。この形状はジラハボックと良く似ており、また使用目的も同じく敵の鎧の隙間を突き通し、体を抉るというもの。
15〜19世紀
28〜36cm
0.3〜0.4kg
ボアソード
boar sword
ヨーロッパボアスピアソード、ハンティングソードとも呼ばれる刀剣。名前の通り、切っ先近くが楕円形に膨らんでいるその形状が猪の歯に似ている。貴族の狩猟に使われ、力を入れやすいように柄が長くなっている。この形状から刺突用として使われていたことは明白。獲物に突き刺したとき、抜けない場合の危険を避ける為、刀身を分割できるものも存在した。銃が広まると使用目的が失われ(わざわざ危険を冒して近づく必要が無くなった為)、廃れていった。
16〜18世紀
90〜100cm
1.4〜1.6kg
ボウィー・ナイフ
bowie knife
北アメリカアーカンサス開拓者、ジェームズ・ボウィー大佐が作り出したハンティングナイフのひとつ。鋭い刃先と刀身の半分近くもある長い疑似刃を備え、アメリカ西部の猟師や狩人がよく用いた。
19世紀〜現代
20〜35cm
0.2〜0.3kg
ボロックナイフ
ballock knife
ヨーロッパボロックとは『睾丸』のこと。球状の鍔を持つ為この呼び名がついた。鍔は二種類存在し、一つ目は鍔と柄が一体化したもので主に柄は木製だった。もう一つは金属製の円盤を柄の両端に持つもので、こちらのほうが広く使われていた。刺突用に用いられ、威力を増す為の工夫として剣身をアングル状にしたものも存在した。
12〜14世紀
20〜30cm
0.4〜0.5kg
マインゴーシュ
main gauche
ヨーロッパフランス語で『左手用短剣』を意味する短剣。剣と反対側に携帯する防御用短剣で、硬い剣身を持つ。様々な形状のものがあり、ボタンを押すと剣身が三つに分かれるものなど非常に複雑なものもあった。この短剣は敵の剣を受け止め、へし折る目的を持ったものでソードブレイカーの一種といえる。
15〜18世紀
30〜40cm
0.2〜0.4kg
マカエラ
machaira
古代ギリシア斬ることを目的とした片刃の湾曲した刀。片手でも両手でも使えたといわれる。馬上でも用いられ、この当時、片刃といえばこの刀だった。地中海に広まり、イベリアのファルカタの祖形になったとも言われる。よくコピスと混同されるがこちらは湾曲した刀身の外側に刃がある。
B9〜B2世紀
50〜60cm
1.1〜1.2kg
マクアフティル
macuahuitl
南アフリカアステカ人の用いた刀剣。そのものずばり『刀剣』を意味する名前。斬ることを目的としている為切っ先は無く、オーク製の全体に石の刃をきれいに並べて取り付けてある。柄は両手でも片手でも握ることの出来るように長く作られており、全長の4分の1前後のものが殆どである。
12〜16世紀
70〜100cm
1.0〜1.5kg
マボムバーム
mbombaan
アフリカ北部ブショング王国に住んでいたバクフ族、ニィム族の用いた巨大な刀剣。バクフ族の用いたもっとも大きな刀剣で長い握り、太い剣身を持つ。武器としてではなく儀式用として使われ、族長しか持つことが出来ず、また正装して右手に持つことが決められていた。
17〜19世紀
100〜120cm
1.8〜2.2kg
マムベリ
mambeli
アフリカ北部アザンデ族、ボア族が用いた湾曲した刀剣。よく似た形にエチオピアのショーテルがある。こちらの剣身は太く、先端部分の形状が斧状だったり、鍵爪がついているものもあった。刃根元に突起物があり、これが鍔の代わりをしたと考えられている。
17〜20世紀
80〜110cm
1.5〜2.2kg
マンダウ
mandau
東南アジアマレー系種族のビダユ族固有の『首狩り』の意味を持つ刀剣。戦闘だけではなく、なたのような使われ方もする。片刃、やや湾曲した刀身、疑似刃を備える刀剣で、柄は切っ先側に向かって曲がっているのが特徴。この一族には首借りの習俗が有り、敵の首を切り取る大きなマンダウをマンダウ・パサーと呼ぶ。
16〜20世紀
60〜90cm
0.7〜1.2kg
マンダヤナイフ
mandaya knife
東南アジアマレー系種族の先住民ビダユ族の用いるマンダウを小型化し短剣にしたもの。葉っぱのような形の剣身をしており両刃。柄に突起があり腰に挿した際落ちることが無いようになっている。このナイフは工具として用いられたが、非常時には武器としても使われた。
16〜20世紀
30〜40cm
0.2〜0.5kg
マンプル
manople
西ヨーロッパムーア人の生み出した刀剣で、篭手状の柄に長く直身の剣を取り付けたもの。さらにその両脇に対称形の短い刃、拳の上の部分に鉤爪を持つ。非常に扱いにくい武器で広く使われることは無かったが、威力が強力なことで知られている。
14〜15世紀
60〜100cm
2.2〜2.5kg
ミセリコルデ
misericorde
西ヨーロッパこの時代の騎士達が戦場に赴く際、必ず身につけていた”慈悲の短剣”ともよばれる短剣。キドニーダガーと同じく、落馬や戦闘で重傷を負ったものを楽に死なせる為のもので、鎧の隙間から突き刺すことのできるように、剣身は細く、切っ先は鋭い。
14〜15世紀
25〜35cm
0.1〜0.2kg
メイル・ピアシィング・ソード
mail piercing sword
--非常に強度に優れた刺突用刀剣の総称。鎧の上から敵を突き刺す為、刃が無く、突くことのみを目的としているものもある。コリシュマルドビルボタックエストック等がこれにあたる。
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メイルブレイカー
mail breaker
ヨーロッパルネサンス期、ヨーロッパで使われた『鎧通し』の意味を持つ短剣。作られた当時はまだ完全な鎧はできておらず、そのような鎧を上から直接貫通させる目的で用いられた。その為剣身を丈夫にする必要があり、三角形や四角形、円柱のような形のものがあった。
15〜17世紀
30〜40cm
0.2〜0.3kg
メル・パッター・ベモー
mel puttah bemoh
インド南インドで用いられたレイピアを巨大化したような刀剣。2段に長く離れた鍔を持つ細身剣。巨大な柄頭を持ち、剣のバランスをとっている。相手の鎧を貫く目的で使われたもので、騎乗した相手を馬ごと貫くことも可能だった。
17〜18世紀
150〜170cm
2.1〜2.5kg
ヤタガン
yatagan
中近東トルコで用いられたソースン・パタを祖にもつ刀剣。くの字型に湾曲した内側に刃を持つ。よくソースン・パタと混同されるがこちらは柄頭がゴルフクラブ、もしくはそれが二つに分かれて耳のような形をしており、また全体的に少し細身になっている。
17〜19世紀
50〜80cm
0.7〜1.0kg
ラム・ダオ
ram da'o
南アジアネパール、インド北部で用いられる儀式用刀剣。幅広の剣身、片刃で、儀式で生贄に捧げられる動物の首を一撃で落とすことの出来るように重く作られている。地方により形状は様々だが、刃の先端近く、両側に”目”をつけられるのが特徴。この目は象眼、ペンキで書かれるなどした。
16〜20世紀
90〜100cm
2.5〜3.0kg
ラウンデルダガー
roundel dagger
ヨーロッパ--
14〜16世紀
30cm程度
0.3kg程度
リングダガー
ring dagger
ヨーロッパアンテニーダガーが発展したもので、完全な輪となった柄頭を持つ。この輪は紐を通し、落とさないように工夫されたもので、専用の鎖で鎧につなぐ場合もあった。これは当時の戦闘が激しくなっていったことを示していると考えられている。また一般人にも使われており、不用意に落とすことを防いでいた。
14世紀
30cm
0.25kg
レイテルパラッシュ
reiterpallasch
西ヨーロッパ両刃、直進の刀剣でブロードソードの一種。断ち切ることを目的としているが、突くことも出来た。半篭状護拳とよばれる柄を持つのが特徴。
18世紀
80〜100cm
1.8〜2.2kg
レイピア
rapier
ヨーロッパ16世紀、ヨーロッパを代表する刺突用刀剣。細身の剣身をもつ剣で、『エペ・ラピエレ(epee rapiere)』とよばれていたフランスの宮廷の儀礼用(決闘用)刀剣が、スペインに伝わり実用的な武器となった。これがレイピアの原型で、フランスにこれがもたらされるのは銃が発達し、重騎兵の廃れたときだった為、瞬く間にレイピアは広まった。また、この剣が使われた時代は鎧が使われなくなっていた為、剣による防御が必要になっていた。その為、次第にこの剣は短剣(マインゴーシュソードブレイカー等)と共に使われるようになった。
16〜17世紀
80〜90cm
1.5〜2.0kg
ロングソード(1)
long sword
西ヨーロッパ初期のロングソード。直身、両刃、切ることを目的にしているが、騎士が馬上で用いた為、切っ先が鋭く突く事もできた。当時はまだ鋼鉄を作ることができず、焼き入れ法といわれる方法で剣身の表面を金属硬化させることで強度を高くしていた。しかしこの方法では剣が何かにぶつかる度に強化した表面が剥がれ、強度が落ちて、剣が曲がってしまうことも多かった。その為剣の強化のために剣は身が太く厚く作られ、血溝などを備えている。ヴィーキングソードを原型にもつ。
11〜14世紀
80〜90cm
1.5〜2.0kg
ロングソード(2)
long sword
西ヨーロッパ後期のロングソード。直身、両刃、戦術の変化により切っ先がさらに鋭くなり、突くことを主目的としている。この頃になると鋼など、強度に優れた金属が使われるようになり、剣身の強度が上がった為、薄く、軽く、さらに長く作ることができるようになった。また血溝が無くなり、これが今日におけるロングソードの形になった。
14〜16世紀
80〜100cm
1.5〜2.5kg
脇差
(ワキザシ)
日本打刀の一種。長さによる違いのみで他は打刀と変わらない。鎌倉時代に用いられた『刺刀(サスガ)』の流れをくむ刀剣。
室町〜江戸
40〜70cm
0.4〜0.7kg
蕨手刀
(ワラビテノカタナ)
日本日本古来の短剣。柄頭が丸く曲がっており、まるで植物の蕨(ワラビ)のような形をしている事からこのような名称がついた。また地方により形状が違う。
古墳〜平安
25〜70cm
0.1〜1.0kg
ワルーンソード
wallon sword
西ヨーロッパベルギー南東部のワルーン人が用いた刀剣。ブロードソードの一種。この剣の最大の特徴はその鍔にあり、二つにわかれた鍔が柄上部にまたがって取り付けられている。また鍔の両端からそれぞれ柄頭とつながり護拳となっているもの、切っ先に向かって曲がり、親指をかけるためのものがある。この突起はサム・リングと呼ばれ、剣に力を加えるときにここに親指を引っ掛けて用いられた。
16〜17世紀
60〜70cm
1.2〜1.4kg

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