■ダインスレイフ

二振りのダインスレイフ
現在ダインスレイフと呼ばれる剣は二本ある。一本は北欧の英雄シグルドを殺したグンナルの弟ホグニの持つダインスレイフ。 これはシグルドが倒したファーフニルの黄金の中から手に入れたものだ。
このダインスレイフの出てくるヴォルスング・サガという物語の中はこの『黄金』にかけられた呪いから逃れることはできない。 ホグニとグンナルはアトリという王の軍隊と戦うことになる。彼らはたったふたりでアトリの軍隊と戦い続けた。 ダインスレイフはかのグラムに劣らぬ活躍をしたが結局彼らは捕らえられ死に絶える。
もうひとつのダインスレイフ。こちらはデンマークの王ホグニの持つ『一度抜かれると血を見るまで鞘に納まらない』魔剣。
この抜いてはならない魔剣は、北欧神話の主神オーディンの愛人、フレイヤの策略で、王ホグニ自身の手で抜かれてしまう。
フレイヤはある黄金の首飾り(ブリーシンガメン)を手に入れる為に、小人と床を共にした。このことに怒ったオーディンはフレイヤの首飾りを取り上げたのだ。 返却を求めるフレイヤにオーディンはこう告げる。
「二人の王を争わせろ。この戦争で死んだものはすぐに蘇らせ、戦わせ続けろ。この戦いはキリストに守られた王により終わられなければならない」
この難題を黄金に狂ったフレイヤは実行してしまう。デンマーク王ホグニと、サラセンの王子ヘジンはフレイヤの策略にはまり、ある島で戦い続けた。
この戦いはこの世の終わりまで続くといわれ、今もこのダインスレイフはホグニに振るわれ続けている。

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