■小狐丸

『小鍛冶』三条宗近
平安時代、名工と謳われた刀工、三条宗近。
あるとき縁起のよい夢を見た帝は、宗近に剣を打つように勅令を出す。しかし宗近は辞退してしまう。
「このような重大な仕事をできるほどの相槌をうてる相方がいない」と。
しかし天皇の勅令を断ることなどできない。やむなく引き受けた宗近は神に頼るしかなく氏神の稲荷明神(京都伏見の稲荷神社)にお参りに行く。
そこで彼は不思議な少年とであった。その少年は宗近の状況を知っており、自分が力を貸すといって、相槌をとった。 実はこの少年こそが稲荷の明神でこうして作られたのが小狐である。
この小狐、雷を打ち払ったという逸話もあり、さぞ帝もその刀のできに感激したのだろう。

戻る。